●筋腫核出術を腹腔鏡下により安全に、より単純な手法で、より短時間に行うには、どうすれば良いかという課題に取り組んできました。

●筋腫核出術を行うには、開腹手術であろうと腹腔鏡下であろうと、子宮壁への切開、筋腫の核出、核出した筋腫の取り出し、そして核出後の子宮壁の修復という操作が必要です。これらの操作を全て、腹腔鏡下に行うのを全腹腔鏡下筋腫核出術(total laparoscopic myomectomy:TLM)といいますが、その場合には、高度な技術が必要とされます。また、術後の妊娠中に縫合した部分が十分な強度を持たなければ、子宮破裂等の危険性を伴います。従って、開腹での筋腫核出を推奨する先生方は、この点でのリスクを強調されることが多いと思います。もちろん、十分な技術を持っていれば、これらの批判に耐えうる手術(TLM)を行うことも可能ですが、当科では、別の方向を目指しました。

●すなわち、開腹手術の手技(特に縫合結紮段階)も取り入れながら、より低侵襲に手術を行う腹腔鏡補助下筋腫核出術(laparoscopy-assisted myomectomy:LAM)という方法です。お臍と恥骨部に2.5センチ程度の小切開を加え手術を行います。以前当科で行っていたTLMに比べて、恥毛内に隠れる傷が1.5センチから2.5-4センチとなるだけですが、手術手技が格段に安心できるものになりました。また、症例数の増加に伴い、妊娠される方が多くなってきています。基本的に分娩様式は帝王切開術としています。

●現時点で、当院で分娩を終了された方を中心に、約200件の腹腔鏡補助下筋腫核出術術後の妊娠分娩例を経験しています。帝王切開時に重大な異常を認めた方がいませんでしたが、最近、残念ながら2例の子宮破裂(児の死亡と脳性麻痺)を経験しました。従って、手術手技には、信頼性があるとは思っていますが、例外的に異常の発生する可能性も否定できない状況です。妊娠時に異常を感じたときは、直ちに病院に連絡を取り、対応を協議していただくようお願いします。

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​岐阜県立多治見病院産婦人科

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